2014年12月19日金曜日

JVのクリスマス・キャロル

まったくいやになっちゃうわよね。
この時期、街はリア充ばかりじゃないの?
わたし?わたしはまぁ、南の島でカワユス達といちゃいちゃしていられるから比較的リアって言えるんじゃないかしら?

私もこの年になるとクリスマスって柄でもないんだけど、もし今、サンタさんに何かプレゼントもらえるなら何がいいのかって考えてみたりしたわ。

カワユス?(もう足りてる)
勝利?(うーん、結局足りなかったわね)
スポンサー?(生々しい話だけど、これ(指でポーズ)も大切よ)

この仕事していて、いろいろ厳しい事も言わなきゃいけない事もあったし、ほら?この世界、理想だけじゃないでしょ?
綺麗事ばかりいっていたって、この世界、ちっともクリーンになんかなりゃしない。

なんっつぅか、もう全てを投げ出しちゃおうといろいろ思った事も何回かあったわ。

でもねぇ、7年いろいろ続けていて、結局分かった事もあるのよ。



There's nothing you can do that can't be done.
Nothing you can sing that can't be sung.
自分に出来る事は自分がやれる事だけ。
唄えない歌を唄おうなんて所詮は無理な話よ。

Nothing you can say but you can learn how to play the game
It's easy.
言葉よりこの世界の仕組みを学びましょう
簡単な事よ!


There's nothing you can make that can't be made.
No one you can save that can't be saved.
あなたが作れるものは、あなたが作る事が出来るものだけ
あなたが救える人はあなたに救える人だけよ。

Nothing you can do but you can learn how to be you in time ?
It's easy.
何も出来ないって悩むよりも、あなたらしくなれる方法を考えましょうよ。
とっても簡単な事よ!



All you need is love, all you need is love,
All you need is love, love, love is all you need.
結局は愛なのよ(シモじゃなくて)愛よ愛!
今になって分かったの。迷った時には愛さえあればいいって。



There's nothing you can know that isn't known.
Nothing you can see that isn't shown.
分からない事を知ろうとあがいたって無理な話じゃない?
あなたが見ているものが全てだもの。

Nowhere you can be that isn't where you're meant to be.
It's easy.
あなたにはあなたの世界があるの。あなたはそこにしかいられない。



All you need is love, all you need is love,
All you need is love, love, love is all you need.
結局は愛なのよ(お前が言うなって言われたって)愛よ愛!
今になって分かったの。迷った時には愛さえあればいいって。


All you need is love (all together now)
結局、愛じゃないかしら?(そうよね?)
All you need is love (everybody)
そうよね、愛よね?(思うでしょ?)








All you need is love, love, love is all you need.
今になって分かったの。迷った時には愛さえあればいいって。








-All you need is love/Beatles











Merry Christmas.

2014年12月12日金曜日

[翻訳] Letters of Note :若い自分への手紙 <マンディー・ジョーンズの場合> Rouleur ISSUE 50

  マンディ・ビショップ(旧姓ジョーンズ)は1982年にグッドウッドで開催された女子ロード世界選手権でアルカンシエルを獲得した。彼女は20年間に渡り英国のTT界に君臨し続けた女王、ベリル・バートンを最初に破った選手でもある。絶頂期にあった彼女のキャリアは、故障により急速にその輝きを失ってしまった。彼女は今、オールドハムのスローサ・サイクルで走っている。





 マンディへ

 あのグッドウッドの世界選からもう30年も経っているのね! ぞっとしちゃう。
 あの時代、もし私がなにか別の方法を試していたら...いや!そんな事なんてない。私はいつも完璧だった! でも残念ながらトレーニングに関しては試行錯誤の時があったわね。私が教えられてきた美学「ペダルを踏め踏め、もっともっとだ!」主義のせいでね。
 嬉しい事に、どんな厳しいトレーニングや流した涙も、アルカンシエルを身に纏った事で報われたわ。でもその幸せはほんの些細な事で崩れてしまった。

 悔いが残るのはクロス・トレーニングを試みなかった事。ストレッチ、そしてコア・トレーニング。もしも、当時の私がその大切さに気がついていたら、後になって私のキャリアを終わらせた、あのふくらはぎの断裂と背筋のダメージを防ぐ事が出来たかもしれないわね。

 あたなはいつも、今その瞬間を生きていた。次のレース、トレーニング、そしてあなたが最も欲しかった勝利 - 母国で開催される世界選手権でアルカンシエルに袖を通す事。でもその後はどうだった?あなたには、突然メディアに注目され、追い回されるという状況を助けてくれる人が必要だったの。数え切れないインタビュー、祝賀会、ディナーのお誘い、そういうもののあしらい方をね。
 もちろん全てのお誘いを受けられればそれは素敵でしょうけど、あなたにはそんな義務はないのよ。あなたはNOと言える勇気を持つべきだわ。負い目に感じる必要なんてない。だって、もしあなたが真剣に次のシーズン、そして最も難しいタイトルの防衛の事を考えていたら、あなたがすべき事はディナー会場で微笑む事ではなく、トレーニングに集中する事だって気がついたはずだもの。

 最後に一番大切なアドバイスを。良いスポーツ心療師を見つけて頼りなさい。あぁ、その時それに気がついていたら!
  あなたはトレーニングでも、レースでも、そして人生でも大きな浮き沈みを体験するわ。どれひとつとしてあなたの思い通りにはならない。あなたはいつも思うの。「私はいったいなにをしているんだろう?」って。あなたには話せる相手が必要。それはコーチじゃない。誰でもいい、あなたのモチベーションを高めてくれて、あなたが本当に必要としているものを思い出させてくれる人が。

  今の私のこんな繰り言をスパッと解決する方法を思いついた!タイム・トラベルよ!ドクター・フーのタイムマシンをすぐに借りてきて。そして2014年にいらっしゃい。じっくり話したいわ。

  問題は解決ね。
  幸せになって。
  愛を込めて。

  マンディより

  xx(kiss)





現在の彼女のチームハウスの写真










2014年12月7日日曜日

[翻訳] Letters of Note :若い自分への手紙 <ベルンハルド・アイゼルの場合> Rouleur ISSUE 50

やぁ、21歳のピチピチバーニー坊や!

だいたいお前に俺がいろいろアドバイスしたところで、お前が絶対に大人しく聞くようなタマじゃねぇって事はお見通しよ!wwwwwwwwww。
なんつってもお前のモットーは「俺様サイコー!」だからなっ!

俺は未だにTシャツの袖をまくってジーンズで颯爽と歩く(訳注:加勢大周)スタイルがイケてると思っているぜぇ!

周りが言うにはよぉ、お前には若者ファッションは無理だってよ!

がっつり走れや!


バーニー様より愛を込めて。

[翻訳] Letters of Note :若い自分への手紙 <トーマス・デッケルの場合> Rouleur ISSUE 50

アマチュアでの輝かしい戦績をひっさげて、デッケルは2005年にラボバンクでプロデビューを果たした。デビューの後、ティレノ・アドリアティコ、ツールド・ロマンディ、ツールドスイスのステージを立て続けに制していく。2009年7月、18ヶ月前の尿サンプルからEPOの痕跡が検出された。オランダの期待の星だった彼は2年間の資格剥奪を経て、現在はワールドツアーチーム、ガーミン・シャープで走っている。




親愛なるトーマス

 君は30歳の誕生日の今日、自分に向けてこの手紙を書いているよ。
今では君も年をとって時々昔を振り返るようになった。君のこれからの人生は走馬燈のように流れ、そしてある朝、一本の電話で突然歯車が狂うんだ。その日付は生涯に渡って君の記憶から消える事はない。
 2009年7月1日 12時20分

 君はラボバンクと初のプロ契約を結んだ。そして成功はこれから簡単に転がり込む。プロとしての最初のトレーニングキャンプ、君はまだ二十歳で、そしてその才能は抜きんでていたね。オランダは次世代のマイヨジョーヌ候補として君にプレッシャーをかける事になる。だけど君はそれすら楽しんでしまう。プロとしての最初の1年、君はプレッシャーなんて感じない。そしてドーピングに手を染める事なんて夢にも思わない。

 だけど君はそのうち気がつく。君の周りの誰がドーピングをしているのかを。感じよく、誰もが君に誠実に接してくる。スター選手達、スタッフ、そしてドクター達。皆が君の成功を願っているんだ。そいて君に「手をさしのべて」くれる。
 彼らを責めてはいけないよ。それは君がいた世界だ。その時代、君はそこにいたんだ。君は2006年からドーピングに手を染める。「これがプロの世界なんだ」:君はいずれこう思うようになる。周りは皆ドーピングをしている。だから、君も同じ土俵に立たなければいけない、と。すぐに君はその世界に順応していく。

 君はイタリアに行き、6ヶ月の間、家族とも友達とも離れてホテルで過ごす。プロ生活をベストコンディションで始める為に。その努力は報われ君はティレノ・アドリアティコを制するんだ。
 君は若く、アドレナリンを友に走り、素晴らしい成績を残し、大金を稼いで有頂天になる。ドーピングがバレる事なんてありえないとさえ思うだろう。でも、フエンテスが拘束され、2008年からバイオロジカル・パスポート(blood passport)が導入されて、君は初めて気がつくんだ。これはヤバいって。
 君は長い長い間、最低野郎になるんだ。大金を稼いだ若者にはありがちな事だ。そして君にドーピングを止めろと言ってくれる人間は誰一人いない。
 君はこの火遊びの危険さに気付きドーピングから手を引く。君は破滅が訪れるまでの半年間、ロットで走る事になる。

 2009年7月1日、運命の電話のベルが鳴る。君はその時こう思うんだ。「ありえない!僕はこの半年間ドープしていないし、なによりも僕自身がそれが真実だって知ってる!」でも、それは2007年から遡ってのサンプルテストなんだよ。君は電話をかけてきたUCIのアン・グリッパーにこう言うんだ。
 
 「ありがとう。僕の人生をメチャメチャにしてくれて。」

今まで遡及テスト(過去にさかのぼってのサンプルテスト)で捕まった奴はほとんどいなかった。君は思う。なんで僕だけ?

 ドーピングを止めてからの半年間、君は再び自転車に乗る幸せを噛みしめていたね。クリーンなレース、カンチェラーラとマルティンに次ぐツールドスイスTTの3位。そしてツールド・フランス。
 今、君の人生は大きく変わり、大きな歯車が動き出していくんだ。
 
 父さんと母さんにこの事を告げるのはとても辛い体験になる。君は一人きりだ。君は気がつく。自分には本当の友達はほどんどいないって事に。君と飲んでくれる友達さえもだ。電話の後の最初の1年、君は全てを失う。毎日飲んだくれて空虚なパーティー三昧、まるでまともな子供時代がなかったゴロツキのようにね。君はアルコールと運動不足で6ヶ月で16キロ太る。キャリアの最初の10年は光の速さで過ぎたよ。だけど、サスペンドの期間はまるで石のように時がのろかった。
 
 サスペンド明け、君はサイクリングの世界に戻ろうと決意する。ルール的には問題はない。だけど戻る事は容易ではない。それに君はすっかり自信をなくしていたんだ。君はドーパーだ。だけど最後の半年、君は確かにドーピングの助けを借りずに多くのレースに勝てたって事実を君は忘れていたんだ。
 君がカムバックしようとする時、君の名前はブラックリストに刻まれている。君と契約してくれるチームを見つけるのは容易じゃない。君が若かった時の心の拠り所を思い出すんだ。「いつもベストでいる」って。
 
 後からあれこれ言う事なんか簡単なんだけどね。君はナイーブなんだよ。でも多くのサイクリストはそのナイーブさ故に同じ君と間違いを起こすんだよ。君は痛い程この件で学ぶ事になる。自分は普通の人よりも破滅型だってね。

 君はドーパーになるんだ。死ぬまでこの烙印は消えない。この経験は君を多少ましな人間にしてくれる。でも言っておくよ。ドーパー時代が君のキャリアの頂点ではないんだ。
 
 最後のアドバイスだ。サイクリングを、今君が生きている瞬間を精一杯楽しんでみろ。この世界はあまりに速く、そして君は自分が何をしているのかさえ分かっていない。日記を書くんだ。そして、オランダのメディアとオープンで良い関係を築くんだよ。君が苦しい時、彼らが助けてくれるからね。
 
 人の期待を裏切るな。そして18歳の時の君を貫き通すんだよ。僕はただ君に幸せになって欲しいだけなんだ。そして自転車に乗っている限り、いつも君は世界で最も幸せな男なんだよ。
 
 がんばれ。
 
 トーマスより