マンディへ
あのグッドウッドの世界選からもう30年も経っているのね! ぞっとしちゃう。
あの時代、もし私がなにか別の方法を試していたら...いや!そんな事なんてない。私はいつも完璧だった! でも残念ながらトレーニングに関しては試行錯誤の時があったわね。私が教えられてきた美学「ペダルを踏め踏め、もっともっとだ!」主義のせいでね。
嬉しい事に、どんな厳しいトレーニングや流した涙も、アルカンシエルを身に纏った事で報われたわ。でもその幸せはほんの些細な事で崩れてしまった。
悔いが残るのはクロス・トレーニングを試みなかった事。ストレッチ、そしてコア・トレーニング。もしも、当時の私がその大切さに気がついていたら、後になって私のキャリアを終わらせた、あのふくらはぎの断裂と背筋のダメージを防ぐ事が出来たかもしれないわね。
あたなはいつも、今その瞬間を生きていた。次のレース、トレーニング、そしてあなたが最も欲しかった勝利 - 母国で開催される世界選手権でアルカンシエルに袖を通す事。でもその後はどうだった?あなたには、突然メディアに注目され、追い回されるという状況を助けてくれる人が必要だったの。数え切れないインタビュー、祝賀会、ディナーのお誘い、そういうもののあしらい方をね。
もちろん全てのお誘いを受けられればそれは素敵でしょうけど、あなたにはそんな義務はないのよ。あなたはNOと言える勇気を持つべきだわ。負い目に感じる必要なんてない。だって、もしあなたが真剣に次のシーズン、そして最も難しいタイトルの防衛の事を考えていたら、あなたがすべき事はディナー会場で微笑む事ではなく、トレーニングに集中する事だって気がついたはずだもの。
最後に一番大切なアドバイスを。良いスポーツ心療師を見つけて頼りなさい。あぁ、その時それに気がついていたら!
あなたはトレーニングでも、レースでも、そして人生でも大きな浮き沈みを体験するわ。どれひとつとしてあなたの思い通りにはならない。あなたはいつも思うの。「私はいったいなにをしているんだろう?」って。あなたには話せる相手が必要。それはコーチじゃない。誰でもいい、あなたのモチベーションを高めてくれて、あなたが本当に必要としているものを思い出させてくれる人が。
今の私のこんな繰り言をスパッと解決する方法を思いついた!タイム・トラベルよ!ドクター・フーのタイムマシンをすぐに借りてきて。そして2014年にいらっしゃい。じっくり話したいわ。
問題は解決ね。
幸せになって。
愛を込めて。
マンディより
xx(kiss)
現在の彼女のチームハウスの写真