2015年3月11日水曜日
[番組台本] 世界入りにくい居酒屋〜ルクセンブルグ編
この番組の紹介
地元の人しか知らないディープな名店を紹介する番組です。
世界のどこでも、いい居酒屋は必ず、入りにくいオーラを出しまくっている。観光客向けのオープンな店とは大違い。
そんな世界の居酒屋を紹介する番組です。
-NHK番組紹介サイトより
島崎和歌子(以下 和歌子):ルクセンブルグって知ってる?
篠田麻里子(以下:麻里子):聞いた事あるんですけど、なかなか馴染みないですよね?
その居酒屋はトロワ・クラン公園の近くにあるという。
和歌子:えっ?なに?イケメン!つか美味しそう!
麻里子:和歌子さん気を確かに!
ディレクター(以下D):(この庭の奥に居酒屋があるって聞いてきたんですけど...)
アンディ:えっ?居酒屋ですか? ウチはサイクリストが集うオシャレなカフェなんだけどなぁ。
D:(番組にたれ込みの投稿があったんですよ。ペンネーム「黒いオルフェ」さんから)
アンディ:.................(分かりやすい)
カンチェ:やぁアンディ、オープンおめでとう。開店祝いだ、受け取ってくれたまえ。
アンディ:いきなりびっくりしたよ!わぁ!でもありがとう!綺麗なトルコギキョウだね!さっそくお店に飾らせてもらうよ!
カンチェ:自転車でスイスから来たんだが、沿道に美しく咲いていてな。花に向かってサガンが小タイムしていたので輪聖技で排除した後に摘み取ってきた。
アンディ:いろんな意味でフレッシュすぎるよ!
カンチェ:ちなみにトルコギキョウの花言葉は「先細り」だそうだ。
アンディ:空気読んでよ!
和歌子:ちょっとちょっと、新たなイケメンが現れたのはいいけど、なんか険悪なムードじゃない?
麻里子:番組成り立つんですかね?......
鏡:やぁ、アンディ、開業おめでとさんっ!
アンディ:鏡先輩も来てくれたんだ!ありがとう!
鏡:祝いにグレンモーレンジ(スコッチ)を1ケース持って来てやったぞ!
アンディ:ウチはカフェだよ!スコッチは出せないよ!
鏡:安心しろ。オレ用だ。
アンディ:勘弁してよ!サイクリストの為のオシャレカフェなんだから!
鏡:サイクリストの為のオシャレカフェというとアレだろ?カレーが名物で常連以外はタイヤの削りカスとして扱うという伝統の経営スタイルの...
アンディ:やめてよ!放送できないよっ!(Dに向かってカットの指示)
フォイクト:アンディ・ボーイ!(手を拡げながら)お前が自分の人生を歩み出した事がとても嬉しい!
アンディ:イェンス!ありがとう!やっと救われた心持ちだよ...
フォイクト:お祝いに泥酔したポポヴィッチを連れてきてやったぞ。
ポポ:◁○”@@@dhoujodudhcおでゃおぉあお!(へそを出して踊りながら)
アンディ:今の僕にはジャーマンジョークを受け付ける余裕なんかないよっ!
フォイクト:なんという事だ!アンディ。これから自分の城を築こうとするお前がそんな事で動揺してどうする!私の祖父は焼け野原のベルリンから廃材を集めてバルを開業したんだぞ!
アンディ:すごい!おじい様は成功したの?
フォイクト:3年で事業が先細って夜逃げした。
アンディ:帰っておくれよ!
(場面転換)
和歌子:このお店の入りにくさは場所じゃなくて客層にあるのね...
麻里子:わたし、もうお腹いっぱいなカンジです......
和歌子:あら、でも店内は明るくてとてもオシャレ。
麻里子:なんか置いてある家具も高そうな北欧ブランドですね!素敵!
和歌子:あら?エプロンをつけたイケメンがお料理しているじゃない?シェフかしら?
D:(なんの料理を作っているんですか?)
VDV:料理って程のもんじゃないんだけど、新鮮なパプリカとクレソンを少しの塩で揉むんだ。それにこのペッパーチリソースをかければ、即席のツマミになる。
和歌子:なんか美味しそうじゃない!
D:(お店の定番メニューですか?)
VDV:定番?僕は客だよ。作りたいから勝手に作っているだけさ。ほら、ツマミができたぞ
皆:おぉおお!待ってました!
アンディ:ちょっとちょっと!ウチはカフェなんだから、なにか食べたい時は注文してよ!
鏡:注文したら金かかるだろう?
アンディ:当たり前だよ!
VDV:ほーらっ!じゃかいもと万願寺唐辛子のタイ風ツボ煮が出来たぞ!
アンディ:本格的過ぎるよ!
麻里子:私、あれを注文したい!
和歌子:(このお店の本来のメニューはなんなの.....)
(2時間経過...)
カンチェ:アンディ、オープン初日だというのに客足が悪いな?
アンディ:皆、あんた達の暴れぶりを見て帰っていくんだよ!見てよ!ポポなんかブリーフ一枚で踊ってるし!
ポポ:◁○”@@@dhoujodudhcおでゃおぉあお!(へそを出して踊り続ける)
カンチェ:なるほど、実業とはかくも厳しいものなのだな
アンディ:皆が現実にスパイスをふりかけすぎるんだよ!
カンチェ:まぁ、そうツンケンする事もない。皆、お前が恋しいのさ。
鏡:そうだぞアンディ。優雅な引退はオレぐらいダンディじゃないと似合わないぜ!(スコッチのグラスを傾けながら)
アイゼル:そうだそうだ!このバーニー様ぐらい酸いも甘いもかみ分けてはじめて人生を謳歌出来るってもんよ。
スタンナード:くぉ〜ん(アンディをハグ)
アンディ:(ハグされながら)そんなもんかなぁ....
フォイクト:アンディ、私からお前にプレゼントだ。(小箱をカウンター越しに渡す)
アンディ:どうせまたサガンの小タイムがらみでしょ?
フォイクト:開けてみろ。
アンディ:....ん?これは折れたエルゴレバー?(カンパニョーロのシフター)
フォイクト:4年前のツール直前、お前が練習の落車で折ったエルゴレバーだ。
アンディ:...なんでこんなものを...
フォイクト:お前はその時、痛い素振りも見せなかった。迷いもなくすぐに身体を起こし、そしてマイヨジョーヌまであと一歩のところまで行った。あの時、お前は何も迷わなかったはずだ。お前は純粋でなんの打算もなかったな。未来も過去もなく、お前はあの時「今」だけを見ていた。いつか人生で再びガリビエに挑まないといけない時が来たらそのレバーを見て思い出せ。
アンディ:..その時のジャージも、もう物置にしまっちゃったよ...
フォイクト:モノに意味はない。お前がした事、これからする事だけに意味があるんだ。この年寄りはそう思うぞ。
アンディ:..ありがとう、イェンス。
和歌子:なになに?なんかいい話系でしんみりしたけど、結局、ここは居酒屋だったの?
麻里子:メニューすら出てきませんでしたよ....
和歌子:まぁいいや、イケメンたくさん見て目の保養も出来たし!
麻里子:そうですねぇ!イケメンをツマミにこれから飲み直しますか?
和歌子:いいねぇ!では...
二人:また来週!
(エンドタイトル テロップ)
アンディ:ウチはサイクリストの為のオシャレカフェだからねっ!!!!!!!!!!
ポポ:◁○”@@@dhoujodudhcおでゃおぉあお!(へそを出して踊りながら)
(Fin)